東洋医学から考えるめまいとは?

東洋医学の視点からのめまい

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「めまい」といえば、中耳炎、メニエール病、突発性難聴、低血糖症など色々な疾患の症状として現れます。

それに対して薬物療法などが行われますが、東洋医学では、西洋医学のように「この疾患だからこの薬(治療)。」といった決まりごとはありません。

 東洋医学では「人」を診るので、同じような症状であっても、原因は一人一人違います。

ですので、一言で「めまい」を治療するにあたっても、その人の現在の気・血・水が正常に働いているか、身体の状態を診てから治療していくので、治療方法も一人一人異なります。

当院の鍼灸師が東洋医学の観点から「めまい」に対する考え方・治療方法をご紹介いたします。

 

東洋医学での「めまい」とは?

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ここでは気血水(きけつすい)を用いてめまいを解説したいと思います。気血水とは、気・血・水の三つのことであります。
」とは、気落ちする・元気が出る・病は気から・などという言葉で分かる通り、「精神」などのことを指します。厳密のはもっと広い意味があり、エネルギーの元と思っていただいてもいいでしょう。
」は、文字通り血液のことです。「」とは体に含まれる水分全体を指します。

東洋医学では、この気血水が滞りなく全身を巡っていれば病気はしないと言われています。

気が滞りなく流れていれば血も滞りなく流れます。すると当然水も滞りなく流れるため、気も滞りなく流れるというように、気血水はお互いに深く影響しあっています。
流れる川の水は腐らないように、気血水が正常に流れていれば、悪くなるところは出てこないと言われています。

気血水の流れが決めて

 

東洋医学的にはめまいは「水毒症」といわれます。水毒症は、水の流れが滞るだけでなく、水が体の中に遍在(ある場所にはたくさんあるけど、ある所には少ない)している・体全体に水が多い・ということもあります。

西洋医学的にいっても、ぐるぐる回る回転性のめまいは、内耳にリンパ液が貯まることで起きます。メニエールや内耳炎・脳脊髄液の流出自律神経失調症などのめまいも、内耳に水(リンパ液)が貯まってめまいが起こるのです。
水毒症は、その他にも色々な症状の原因になります。むくみはいかにも水毒症という感じですが、その他にも関節に水毒が溜まるとリウマチ、気管に溜まると喘息、鼻で溜まると副鼻腔炎、というように水毒は色々な症状に関連しています。ちなみにめまいの時に吐き気があったり嘔吐をしやすいのは、胃の中の余分な水分を出しているのです。

また、東洋医学では耳と腎臓は関連しているので、水毒=むくみ(腎臓の機能が低下)=めまいという図式は分かりやすいと思います。
西洋医学的にも、利尿剤(水分をおしっこで出す作用がある)を血行を良くする薬と共に処方することはよくあります。

めまいの改善について

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水毒症は、体の中に余分な水分があることと、気血水(特に水)の流れが滞っていることでおこります。そのため、余分な水分を取らないように心がけましょう。特に冷たい水は体を冷やし、気血水の流れを滞らせてしまうので、水を飲む時は常温もしくはぬるま湯で飲むことをお勧めします。またスポーツを頻繁に行う方、医師に水分をこまめに取るように言われた方以外は、頻繁に水を飲むのはやめましょう。確かに水は体にとって必要なものですが、「過ぎたるは及ばざるがごとし」です。
水を取れば必ず排出されるように言われる方もいますが、それはあくまでも健康な人であり、気血水が滞った段階でこの定説は成り立ちません。
更に、気血水の流れを良くするために軽い運動や体操、整体で身体のバランス・体内の循環を整えることが重要になってきます。
運動後や当院の施術の一つである整体の後は体内から余分な水分が抜けますので、ぬるま湯など飲むとより排出を助けてくれます。水毒症の分を取る前に水分を出すことが重要です。

私たちの体は、外部から体に必要な物質を体内に吸収し、いらなくなった物質を体外に排出して生きています。それらの機能を正常へと戻していく為に、当院では毎回「脳脊髄液の流れを良くする」循環を整えています。自律神経も整うので、めまいで悩まれている方にもぜひ、一度ご相談ください。