四十肩・五十肩はただのあだ名のようなもので
40代、50代の方にもっとも多くみられるので四十肩とか五十肩といわれます。
正式名称は「肩関節周囲炎」「拘縮肩」などといい病態は様々です。
症状としては、衣服が脱ぎ着も出来ない、背中がかけないなど、
日常生活に支障をきたすようになる大変厄介な病気です。
この五十肩は、「急性期・慢性期・回復期」の3つの病期があります。
急性期には関節部位に炎症が起きている為、じっとしているだけでも刺すような痛みという嫌な痛みがあります。
そして痛みのせいで夜間覚醒してしまう事もあります。
急性期の1~2ヶ月の間は関節痛が強い時は、アイシングを15~20分ほどして炎症を抑えましょう。
この時期に行う運動として挙げられるのが、コッドマン体操です。
急性期はちょっと動かしただけでも痛い時期なのですが、ずっと肩を動かさずに安静にしていると、
痛みがなくなった時に関節が拘縮して可動域が元に戻らなくなってしまうので
1日3回程度行った方がいいと言われています。
コッドマン体操はおもりになるようなものを持って、前後左右に振り子のように動かす体操です。
この体操は、前かがみの姿勢で行うので力むことなく自然に腕が引き下げられ、
更におもりの重さにより下に引っ張られる牽引力は強くなりことによって、
炎症部位が当たらないように運動することができるので非常に優れています。
そしてこのコッドマン体操は急性期において唯一可能な体操という面でも優れています。
急性期から1~2ヶ月ほどすると、慢性期に移行していき
急性期の頃のような刺すような痛みから鈍い痛みに変わってきます。
この時期から少しずつ積極的に運動を行う事によって、肩の関節可動域が改善されます。
この時期は肩が冷えると治りが遅くなってしまうので、できるだけ身体を温めてから運動を行う事と、
痛いのに無理をしてまで肩を動かそうとするとかえって炎症が起きて余計悪化してしまうことがあるので
あまり無理のない程度にやることが大事になってきます。
また、肩関節に負担が大きくかかる運動ではなく、負担の少ない運動から取り組んでいくことも大事です。
そして負担の少ない運動というのはコッドマン体操や壁伝え体操という体操があります。
先程はコッドマン体操についてでしたが、次は壁伝い体操についてお伝えします。
壁伝え体操は言葉の通り、指で徐々に壁を伝うという運動です。
ポイントとしては、人差し指・中指だけを使って上げていきます。
一気に上まで上げようと思うと無理をしてしまい悪化の恐れがあるので、少しずつ高く上げてゆくようにします。
また毎日どれだけ上がっていったかという印をつけておくとモチベーションを維持するために役立ちますし、
今どこまで上がるかの指標にもなるので、印を毎回記録することはお勧めです。
最後に回復期についてです。
回復期では鈍い痛みは徐々になくなり、肩もだいぶ動かしやすくなってきます。
ここまで回復する目安としては2~6ヶ月ぐらいです。
この頃になると痛みは消えて、ホッとしてしまいますが、
実はこの時期にこそ肩を動かしておくことが大事になってきます。
なぜなら、そのままにしておくと関節が癒着した状態のままだから
放っておくと肩関節の運動制限が残ったままになってしまうからです。
だから、痛みが消失した時こそ肩を積極的に動かしていくことが
とても大事になってきます。
肩が痛いし動かしにくいという人はぜひ試してみてください。
それでも良くならなけば一度当院にご相談して下さいね。
あなたのつらい方の症状が良くなって毎日快適に笑顔で過ごせるようになることを願っています。